2021年1月20日、世田谷美術館、『世田谷美術館コレクション展 器と絵筆 魯山人、ルソー、ボーシャンほか』

世田谷美術館コレクション展 器と絵筆 魯山人、ルソー、ボーシャンほか』

心に残った美メモ

ポスターで使われている、アンリ・ルソーの『サン=ニコラ河岸から見たシテ島(夕暮れ)』が良かったです。淡い色使いにうっとり~

アンリ・ルソーの『サン=ニコラ河岸から見たシテ島(夕暮れ)』

(毎回この場所に1番心に残った美術作品をメモっているんですが、メインビジュアルを選ぶ率めちゃくちゃ高い気がします…オリジナリティないというか見応えない結果に…でも本当に毎回めちゃくちゃ悩んで決めてます!)

戦利品

世田谷美術館はあまり展覧会オリジナルのグッズを作らないんですよね。(今回は世田谷美術館コレクション展だったので全くのゼロではなかったですが)

いつも買うものないなーと思うショップコーナーなんですが、今回は原田マハの『楽園のカンヴァス』という小説を見つけてしまい、迷いに迷って購入しました!ルソーの絵を題材にした物語なので関連書籍として置いていたようです。

原田マハの『楽園のカンヴァス』

ずっとブックオフで安く買えないかな~とチラチラ覗きに行ってたんですが置いてなくてですね…せっかくルソーの絵を見たところですから(小説内にある作品とは違いますが)今読みたい!ということで決めました。そして次の日に一気読みしました。めちゃくちゃ良かったです!!

レポ日記を動画で見る

ここからレポートを書いていますが、同じ内容をYouTubeにあげています。動画で一気に見たいという方は下のリンクからどうぞ!

YouTubeでは世田谷美術館とその周辺の紹介を1本、このブログ記事と同じ内容でもう1本、という形で2本立てでお送りしています!世田谷美術館は緑豊かな砧公園の中にあり、とても素敵な立地なのでぜひ周辺紹介からご覧くださいませ。

レポ日記

世田谷美術館コレクション展!行ってきました!

まずぼやきなんですが、展覧会の名前が非常に覚えにくいというか言いにくいもので…『器と絵筆』『魯山人、ルソー、ボーシャンほか』のどちらかで呼ぶべきか迷います。どっちもしっくりこないし。個人的には『魯山人の器と素朴派絵画』でいいのではと思いましたが、ルソーの知名度を入れたいって感じなのでしょうか。

ということで、今回のこの展覧会は2部構成になっています。1部が魯山人の器紹介で、2部が素朴派絵画です。どちらも52作品ずつですが、気持ち的には2部の方がスペースも多く取ってますし比重が高いかなー?と思いました。

1部の魯山人の器は、普通に日常で使うようなお茶碗や醤油刺しなどが展示されています。実際にコレクターのご夫婦が日々使っていたそうで、その思い入れのコメントなんかが凄く良かったです。手にすっぽり収まるサイズがいいとか書いてあって、本当に使っていたんだなあと伝わってきます。魯山人自体が「雑器のように扱ってほしい」と望んでいたそうで、器を作る人も鑑賞用ではなく使う人のことを思いながら作るのかなとか、そういう妄想が広がりました。

そして織部の器が個人的には好みでものすごく欲しくなってしまった~~。器は身近な題材なので、自分ごとに置き換えて鑑賞できるのがいいですよね。和食の料理店に出していた器が多いからか、海老の絵や形になっているものが多いなとか。可愛くてつい帰りにメルカリで「食器 海老」で探してしまいました。

この1部では写真を撮れる場所があったり、窓から光が多く差し込んで気持ちのいい部屋になっているので天気のいいお昼どきがおすすめです。

そして、2部です。アンリ・ルソーをはじめとする素朴派の絵画がずらり!すごい!!私が持っている美術史の入門書にある素朴派ページには、素朴派を代表する画家が5名書いてあります。それがアンリ・ルソー、ルイ・ヴィヴァン、グランマ・モーゼス、カミーユ・ボンボワ、アンドレ・ボーシャンです。そのうちグランマ・モーゼス以外の4名が複数枚飾ってある!ひゃ~~~世田谷美術館恐るべしです。素朴派コレクションの層ぶ厚い!!(ちなみにグランマ・モーゼスはグランマ・モーゼス展が今年世田谷美術館に巡回予定なのでそこで見られると思います)

これまで素朴派を調べたくてググっても全然出てこない方々だったので…世田谷美術館で一挙に見られて非常に感動しました。会えたー!!みたいな。アンドレ・ボーシャンの『地上の楽園』は彼の代表作でもありますから、感動感動です。

で、作品なんですが、まずアンリ・ルソーの『サン=二コラ河岸から見たシテ島(夕暮れ)』の美しさに見とれました。ルソーのグラデーションが大好きです。写実的でないと言われますが、その現実と非現実の間くらいのリアルさが素敵です。遠近感がおかしいと言われる素朴派の作品ですが、この絵は夕暮れの影がこちら側にぐぐっと伸びているのと、遠くに落ちてゆく太陽の小ささが凄く遠近感を際立たせていて奥行きを演出しているなあと思いました。すき!

アンドレ・ボーシャンの『地上の楽園』も凄く良かったです。ルソーの『夢』を彷彿とさせるジャングル感ある森ですね。動物のサイズ感とかがおもちゃみたいで、描きたい場所に描きたいものを描いているっていう自由さを感じて好きだなあと思いました。男性の表情もいい!ぜひ近くで寄って見ていただきたい絵です。

カミーユ・ボンボワの『緑の中の城』も素敵でした。周りが緑で覆われていて、真ん中が抜けて城が描かれているという絵です。緑の濃さとビッシリさが非現実的で、真ん中の城が光って見えるような感覚が良いな~と思いました。千と千尋のトンネル抜ける時みたいな?

で、一番心に残った作品としてはルソーを挙げたんですが、今回1番出会えて良かったなあと思ったのはルイ・ヴィヴァンの『ムーラン・ド・ラ・ギャレット』という絵です。ルイ・ヴィヴァンは個人的には下手ウマと呼ばれる素朴派の中でも下手ウマというか…下手というか…?ルソーよりもっともっと落書きっぽさがある感じなんですよね。その写実感のなさに温かさを感じて凄く好きになりました。身近な感じというか。特にムーラン・ド・ラ・ギャレットはいろんな人が題材にしてるので、こんなに身近な気持ちになるのは初めてだー!と思って印象的でしたね。

ここまでが素朴派の代表格コーナーで、その次に日本の素朴画家である久永強さんという画家のコーナーになります。15枚という結構なボリュームが飾ってありました。これが衝撃の内容で、このためだけに世田谷美術館を訪れても損じゃないぞってくらい心に響きました。

久永強さんは戦時中シベリアで捕虜になった経験があり、それを題材に60歳超えてから絵を描いたんですね。そしてその絵と、詩的な文章を掲載した本を出版しています。今回久永強さんの作品の隣にはすべてこの文章が添えられていました。

絵の解説が添えられることは美術館ではよくあることですが、本人の手記のようなものが全部の絵に入ってるってことはなかなかないと思うので、つい読み込んでしまいます。戦友が首をつっていた日の話、おふくろの味を恋しく思った日、など…本当に辛い気持ちになり、絵の素朴さがまた想像を広げさせて凄く心にきましたね。ルソーのほっこりモードだったのでジェットコースターのような感情の揺さぶりを受けました…!

その後の展示は、旧ユーゴスラヴィアやハイチの素朴画家へと続きます。ハイチの黒人の絵なんかは西洋美術を追っていてもあまり出会わない作品たちなので、これも良かったです。見応えたっぷり。

世田谷美術館は広告をバシバシ打ってるわけではないので毎回展覧会はそんなに話題になってないんですが、いっつもすっごく良い!すごく良かったな~満足だな~と思って帰るので、ちょっと都心から離れてますが近くにお越しの際は是非!

終わります!

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