2020年9月11日、国立西洋美術館、『ロンドン・ナショナル・ギャラリー展』

心に残った美メモ

1番衝撃を受けたのはレンブラントの『34歳の自画像』

戦利品

ゴッホのひまわりのクリアファイル

レポ日記

コロナで自粛期間が続きましたが、最近はようやくイベントに行ってもいいのかなという風潮になってきたように感じます。

ずーっと行きたかった各美術展…!会期を延長してくれて嬉しい限りです。どれに行くかかなり迷いましたが、この日はロンドンナショナルギャラリー展に決定!コロナ明け一発目です。

もうすぐ子供が1歳になるんですが、流石に最近バブバブ言い始めたので連れて行くのはやめようと思い家に置いてきました。夫に見ていてもらう必要があるので、夜の部で参戦!

いやー初めて夜の美術館に行きましたが、とってもいいですね。特別感があります。平日昼間よりも平均年齢が低いなと感じました(ご老人が少なく、会社帰りのリーマンやディナーデート前のカップルが多い)。

コロナ明け再開からしばらく経っているせいか、人は結構多いなという印象です。各絵の前には5,6人いる感じ。でも歩きにくかったり全然見られないというほどではないですし入るまでの待ち時間もほぼありません。事前予約制の良さですね。(同じく上野でゴッホ展をやっていた時に最終日3時間待ちだったみたいですし…すんなり入れることがもう神)

ロンドンには人生で2度行ったことがあり、1度目はナショナルギャラリーに数日通った気がします。ただその頃は美術には超疎くて…無料だし座れるし毎日いちゃえと思っていただけという。今思うと本当に勿体ない…

そんな悔しい気持ちもありますし、正直ナショナルギャラリーの持つ美術品が多すぎて見切れないはずなので、今回のように61作品ぎゅぎゅっと運んでくれて(いや量としては異例なほど多いですが)時代ごとにストーリー立てた展示会構成をしてくれるのは大変大変大変にありがたいなと思うわけです。またロンドンに行くことはあってもこの展示は二度と企画されません。つまりとっても楽しみにしていたのです。

そして、期待を裏切らない素晴らしさでした!!

いいなと思った作品を忘備録的に書いていきたいと思います!

これまで、このサイトでは1作1作紹介しても私の浅い知識が露見するだけだなーと思ってしてきてなかったんですよ。でも、コロナ自粛の間に僅かながらも美術について考えてきたつもりで、かつ全部机上の空論というか本物を見ることのできない半年間でもあったので、今回だけは感じたことを作品ごとに記録したいなと思えました。なのでダラダラと書いてゆきます!

ヒュウィゴー!!

国立西洋美術館の企画展入り口です。大々的に飾り付けられた入り口ではない(と思う)んですが、秘宝の隠し場所に潜り込んでいくみたいな感じがあって結構好きです。単に地下だからですが…

入っていくと、7つの部屋とテーマに区切られていて1から順に巡っていきます。

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1つめは『イタリア・ルネサンス絵画の収集』

ウッチェロの『聖ゲオルギウスと竜』からスタートです。初期のイタリアルネサンス作品で、ウッチェロと言えば遠近法。遠近法を愛し毎日毎日考え抜いて遠近法が可愛くてもうヤバいからとか奥さんに漏らしていたウッチェロです。アニメオタクが2次元キャラクターの誕生日会を開いちゃう部類の執着を感じます(?)。

で、生で見たら確かに遠近法が凄い。奥行をめちゃくちゃ感じる。真ん中の抜けが超遠いです。なんていうか、人物描写がそこまで写実的なわけでもないのに遠近法だけリアルというかリアル以上に奥まで感じる?ので遠近法を極めたんだなってことがより一層わかる気がしました。

次にカルロ・クリヴェッリの『聖エミディウスを伴う受胎告知』。大きく美しい絵で、この部屋で一番人だかりの絶えない絵だったように思います。

皆大好き受胎告知のシーンです。妊娠光線らしきものが可視化されており光を通す穴が壁に開けられているところが面白いですよね。

そしてガブリエルの隣にいる人誰やねん?って話で、この人が町の自治を認められた記念に描かれた絵だそうなんですね。下に書き込まれているlibertas ecclesiasticaは教皇の名前で、自治をくれたと。認められたのが受胎告知の祭日だったと。

そんな豆知識は知らずに見たんですが、まず装飾性の高さがすごいなあと思いました。柱の模様が凝ってるだけでなく、2枚の絨毯と孔雀が細かい描写の統一性をうまく出してるのかなとか。右側が手前に突き出ているように感じて左側がどこまでも奥行を見せているのも見事だな~と思いました。縦長の大きな絵ですがもっともっと大きく感じます。特に手前の絨毯は掴めそうなくらい近くに感じて、なのに全体が崩れてないのがすごいバランス感覚だなとか。生で見てこその迫力でした。

ドメニコ・ギルランダイオの『聖母子』。聖母子の絵で見ちゃうのは視線です~~~キリストぴ~~!マリアの方が位置は上にあるのに、目線は絶対キリストが上でマリアが下になってるんですよね。かっけー

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2つめは『オランダ絵画の黄金時代』です。

まずこう…オランダ覇権の時代に想いを馳せてしまいますね…。絶頂期は50年程と短い期間ですし、その後の世界史にあまりオランダが出てこないこともありオランダ覇権時代は知名度のようなものが低い気がします。でもすっごかったんだって~

絵画的には外せない時代ですけどね。巨匠レンブラントとフェルメールがいますしバッチリ飾られてました。

レンブラント・ファン・レインの『34歳の自画像』。有名な絵と知っているからか会場の演出が素晴らしいからか、本気で感動してしまって涙が出そうになりました。くぅ~~流石です!!この染み入るような輪郭というか淡くぼかしたような塗り…?なのか?暖かい色味か?なにがどうなってストーリー性の少ない自画像で感動してしまったのかわからないんですがレンブラントすげ~~!ってなりました。

さらにこちら、大人気フェルメールちゃんですね。こちらも光の当たり方が俊逸で魅入ってしまいます。他のフェルメール作品と比べてあまり高い評価をされていない作品のようですが、青と金のカラーや黄金絵画時代を思わせる部屋の飾りなど、十分味わい深い作品だなと思いました。

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3つめは『ヴァン・ダイクとイギリス肖像画』の世界。

イギリス肖像画って全身・木・犬!って感じでもう面白いじゃん…?フランス王室の肖像画とかと全然違います。木というか屋外風景というか。肖像画というより普通の絵として見て楽しめる(?)気がする。

気になったのはジョシュア・レノルズの『レディ・コーバーンと3人の息子』。

レノルズの肉感がみずみずしい赤ちゃん絵、超好き!そしてなぜオウム?アトリビュート?と思いながら見てました。ググったけど分からなかった~(ウクライナ語?の動画でこちらの絵が紹介されてたんですが、同じくコメント欄に「オウムはなんで?」の書き込みが多数ありました。レノルズのペットだよ~的なコメントも見たんですが正誤はわかりません…)

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4つめは『グランド・ツアー』です。

当時、イタリア旅行が流行ってたんだとか。イタリアの風景画を買って帰るのが自慢だったらしい。

で、こちらヴェネツィアの人気画家であるジョヴァンニ・アントニオ・ペッレグリー二による『井戸端のリべカ』です。

旧約聖書のエピソードで、男はイサクですね。ノアの箱舟からそのずっとずっと先の子孫にアブラハムがいて、その息子です。そっからヤコブが生まれてモーセに続いて~って感じだったかなあ旧約聖書。細かい部分は忘れてしまいますね…。でもこのイサクと、美しい娘リべカは絵画で取り上げられやすい題材かと思います。

この絵は復習もかねて見られてよかったなというのと、イサクはおっさんすぎるしリべカは色白で美しすぎるだろと突っ込んでしまって心に残りました。井戸水汲みにドレス!

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5つめは『スペイン絵画の発見』です。

覇権を争ったスペインとイギリスは仲が良かったわけではないはずですが、画家同士の文化交流はあったようです。(戦争で勝ったからとか言わない)

ひゃ~~~!ディエゴ・ベラスケスの『マルタとマリアの家のキリスト』です。

新約聖書のエピソードであるマルタとマリアの話はよくわかってないんですが、それをラスメニーナス的に右奥へ追いやって小娘と老婆の料理支度場面をでかでかと描いていることにベラスケスの男気を感じます。宗教画と風俗画のミックスって当時凄い事だったんじゃないのか。魚と卵もしっかり目を引いてうふふとなっちゃいました。ちゅき。

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さて6つめ、『風景画とピクチャレスク』のお部屋です。

ここでのメインは何といってもターナー様でした。イギリスが誇るターナー。ロンドンナショナルギャラリーからこれを運んできちゃったっつーんだから凄い話ですよ。

ターナーの『ポリュフェモスを嘲るオデュッセウス』です。

淡え~~~~っ!!!!なんだかいろんな物語があるんですがその解説は置いといて、とにかく光と雲と空が溶け込んだターナー節をとくと見よ!ってな具合でした。この日から私は空を見上げると「おっターナーっぽい」とか思ってしまう呪いに…

(映画『007スカイフォール』で出て来た絵かなと思いましたが、こちらは『戦艦テメレール号』でロンドンナショナルギャラリーにいるままだそうです)

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最後に7つめは『イギリスにおけるフランス近代美術受容』でした。

ここで更に地下に潜った部屋に入ります。出口間際のラストにドドドンとゴッホの『ひまわり』があるのがチラ見えしてるので、そこまで自分を焦らしつつ焦らしつつ進んでいきます。

日本人には馴染みの深い印象派の面々が揃っています。私は特に序盤に目に入ったポール・ゴーガンの『花瓶の花』に惹かれました。

青と朱色の花がなんともエキゾチックで、タヒチを愛したゴーガンの趣味が反映されているのかなとか。細かい白い花の描写も愛らしくて素敵だ~~~。

もやもやっとした背景にしてるのも意図があるのかなとか。静物画が見直されていく時代なんだと思うので、試行錯誤が見て取れて面白かったです。

で、こちらですよ。大本命ゴッホの『ひまわり』です。

眩しいほどの黄色と、喜びを感じさせる生き生きとした線。なのにひまわり自体は満開じゃなくて哀愁というかゴッホという人自体のことを考えてみたくなるというか、まあもういろんな人が大絶賛してる絵だと思うので言わずもがななんですがとにかく凄かったです。

ゴーガンとの対比というか比較が面白かったので同じフロアで行ったり来たりして見れたのも良かった~!

惜しみつつも大満足で企画展を出ました。1時間半から2時間くらいかかったかな?常設展も新しく入った絵があったのでしっかりゆっくり見てから帰路へ。

そして、夜にライトアップされる地獄の門は本当に素晴らしかったです。これって夜に見るべきものだったんだ…!って感じ。今後美術のために触れておきたい課題リストにダンテの神曲もあるので、それを済ませてからまた浸りに来たいと思います。

おーわーり!